内視鏡検査・カプセル内視鏡
小樽掖済会病院では、2009年2月より小腸用カプセル内視鏡、2013年12月より大腸用カプセル内視鏡(ギブン・イメージング社)を導入しております。小樽・後志管内では初の導入施設です。
当院ではすでにダブルバルーン式小腸内視鏡を導入しておりますが、カプセル内視鏡を導入したことにより、検査を受ける患者さんの負担がぐっと軽減されるようになりました。
カプセル内視鏡とは
小腸用
小型カメラを内蔵したカプセル型(直径11mm・全長26mm)の検査装置です。このカプセルを口から飲み込むと、内蔵カメラが消化管内部を撮影しながらすすんでいきます。毎秒2枚のペースで約8時間にわたり約5万枚もの画像を撮影します。撮影を終えたカプセルは排便時、体外に排出されます。
大腸用
2台の小型カラーカメラ(両側に1台ずつ)、バッテリー、LED光源が装備され、サイズは11mm×31mmです。このカプセルを口から飲み込むと、約10時間にわたって毎秒最高35枚の画像が撮影され、患者さんに装着した記録装置に転送されます。
この記録装置からコンピュータにデータが転送され、ソフトウェアを使ってビデオ画像として編集され、医師が検査の結果を評価・報告することができます。
カプセル内視鏡のメリット
- 従来、他の小腸や大腸の検査では見逃されてきた病変を検出できる可能性が高くなりました。
- カプセルを飲むだけなので、従来型の内視鏡に比べて患者さんの身体的負担が大幅に軽減されます。
- カプセルを飲んでしまえば、検査中に病院内に留まる必要はありません。お家や会社にお戻りいただくことが可能です。
- カプセルは使い捨てなので、交差感染の心配がありません。
カプセル内視鏡の注意点
- 消化管の画像撮影するだけなので、もし病変を発見した場合もその場で治療できず、改めて治療を受けることになります。
- 当院が導入したカプセル内視鏡は「小腸用」と「大腸用」です。食道や胃など他の消化管の検査には従来の内視鏡を用います。
- カプセル内視鏡の検査で保険適用となるのは「原因不明の消化管出血が疑われる場合の検査」です(これ以外でも検査を受けることはできますが、すべて実費となります)。
- 患者さんの状態・状況によっては、カプセル内視鏡検査が受けられない場合もあります(妊婦・18歳未満・心臓ペースメーカー等の方)。
- カプセル内視鏡を飲み込んでから排泄されるまでの間は、MRI装置などの強力な磁場に近づかないようにする必要があります。
- カプセル内視鏡検査の結果が正常、すなわち陰性であったとしても、ポリープやがんの可能性を排除するものではありません。
カプセル内視鏡検査の流れ
- 検査の前日
- 消化の良い食事を午後10時までに摂り、その後の飲食はお控えください。
喫煙はカプセルを飲む24時間前からおやめください。 - 検査の始まり
- アンテナを腹部に貼付し、記録装置をベルトで腰に着けます。
カプセル内視鏡を適量の水で飲み込みます。その後は職場やご家庭にお戻りいただけます。
- 検査の終わり
- およそ8時間後、病院に戻り、アンテナと記録装置を返却します。
カプセルは排便時に、体外に排出されます。
詳しくは、消化器内科までご相談ください。